• 2024.06.21
  • 肺がん

肺がんステージ4でも驚きの生存率!最先端治療の全貌

肺がんステージ4と診断された場合でも、諦めずに前向きな心構えと対策で生存率を高めることが可能です。
本記事では、ステージ4肺がんの生存率について解説し、最新の治療法や心構え、対策を紹介します。具体的な内容としては、分子標的薬や免疫療法などの最先端治療、緩和ケアの選択肢、遺伝子検査による個別化治療などが含まれます。
このコラムを読むことで、肺がんステージ4の患者やその家族がどのようにして希望を持って闘うべきかが理解できます。

1.肺がんステージ4の驚きの生存率

肺がんは、ステージによって生存率が大きく変わる複雑な病気です。特に、ステージ4は転移性の肺がんで、最も予後が厳しいとされています。
しかし、近年の医療の進歩により、驚くべき生存率の改善が見られています。
ステージ4の肺がんは、がん細胞が肺以外の臓器にまで広がり、治療が困難になる段階であり、従来は生存率は低いとされていました。しかし、標的分子治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、個々の患者に合わせた治療が可能になり、生存率の向上が期待できるようになっています。
また、緩和ケアやサポートも充実しており、患者の生活の質の向上が図られています。これらの進歩により、ステージ4の肺がん患者でも病状のコントロールが可能であり、生存期間が延びることも多くなっています。
ただし、生存率は個人差がありますので、医師と相談し適切な治療法を選択することが重要です。

 

ステージ別肺がんの生存率の概要

肺がんの生存率は、病気のステージや治療方法によって異なります。早期の段階であるステージ1や2では、手術や放射線治療を行うことで、比較的高い生存率が期待できます。一方、ステージ3では、肺がんがリンパ節に転移しており、治療が困難となりますが、化学療法や放射線治療の組み合わせにより、一定の生存率が維持されています。
最も進行したステージ4では、生存率は低下しますが、新しい治療薬の登場や個別化された治療戦略により、生存率は徐々に改善されています。それぞれのステージに応じた治療法の選択や、病状の経過に応じた対応が、患者の生存率向上につながります。

 

末期肺がん患者の予後・予測

末期肺がん患者の予後予測は、個々の患者の状況や治療応答によって大きく変わります。遺伝子変異や悪性度によって、治療効果が大きく異なるため、予後予測の一概な決め手となる要素はありません。しかしながら、近年の医療の進歩に伴い、治療法の選択肢が広がり、生存期間が延びることが多くなっています。
一部の患者では、標的分子治療薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療が有効であり、長期生存が報告されています。また、緩和ケアの専門チームが痛みや症状のコントロールに努めることで、患者の生活の質を改善し、生存期間の延長に寄与しています。
末期肺がん患者の予後予測は、個々の状況や治療法により異なりますが、新たな治療法の登場やチーム医療の進展により、より良い予後が期待できる時代となっています。

 

ステージ4肺がんの5年生存率向上の要因

ステージ4肺がんの5年生存率が向上している要因は、主に次の三つです。
第一に、早期診断が進んでいます。例えば、画像検査や遺伝子検査が進化し、微小な腫瘍や転移の発見が可能になりました。これにより、治療開始時の患者の状態が良くなり、生存率に大きく寄与しています。
第二に、治療法の進歩です。従来の手術や放射線治療に加え、分子標的薬や免疫療法の開発によって、肺がんの治療法が多様化しました。これにより、患者の状態に応じた最適な治療法を選択できるようになり、生存率が向上しています。
第三に、緩和ケアの充実です。痛みや呼吸困難など、肺がんに伴う患者のQOLを維持するためのケアが向上しています。これにより、患者の病状が安定し、長期間生存できるようになりました。
これらの要因により、ステージ4肺がんの5年生存率が向上しています。

 

2.最先端治療で変わる、肺がんステージ4の闘い方

最新治療技術により、肺がんステージ4の患者が抱く生存への希望が変わりつつあります。具体的には、分子標的薬や免疫療法などの進化が大きく影響しています。
分子標的薬は、がん細胞の特定の標的分子に働きかけ、細胞の増殖や転移を抑制する治療法です。遺伝子検査で遺伝子変異が確認された患者に対して、効果的に働く新規薬が開発されています。
免疫療法は、がん細胞を攻撃する自然免疫力を活かし、がんを抑制する治療法です。PD-1やPD-L1といった免疫チェックポイントを標的とした薬が開発され、多くの患者に対して効果が期待されています。
これらの治療法が導入されることで、肺がんステージ4の患者に対し、より適切な治療が提供され、生存率やQOLが向上しています。

 

分子標的薬による画期的治療法

分子標的薬は、がん細胞の成長や転移に関与する特定の分子に対して働きかけることで、効果的に治療を行うことができます。具体例としては次のような薬があります。
・EGFR阻害薬: EGFR変異を持つ非小細胞肺がんに対して、腫瘍の成長を抑制し、転移を防ぐ働きがあります。
・ALK阻害薬: ALK変異を持つ非小細胞肺がん患者に対して有効です。細胞増殖や転移を抑制し、病状の進行を遅らせます。
これらの分子標的薬は、従来の化学療法とは異なり、正常細胞への影響が少なく、副作用も比較的軽微です。また、早期導入が可能であるため、ステージ4肺がん患者に対しても、治療効果が期待できます。
遺伝子検査により遺伝子変異が確認された患者は、分子標的薬による治療が最適である可能性が高く、個別化された治療が提供されるようになっています。

 

免疫療法の新たな展開

免疫療法は、がんの治療方法の一つであり、これまでの研究によりさまざまな進歩が見られます。免疫療法の主な目的は、患者の免疫システムを活性化させ、がん細胞と戦わせることです。
具体的な治療法としては、免疫チェックポイント阻害薬があり、効果が臨床的に確認されています。これらの薬物は、がん細胞が免疫システムを逃れる能力を抑制し、がん細胞を攻撃できる状態にします。
また、遺伝子標的治療も免疫療法の一部として注目されており、特定の遺伝子変異を持つがん細胞に対して効果的です。これらの治療法は、副作用が比較的少ないという利点がありますが、個人差が大きく、全ての患者に効果があるわけではありません。
最新の研究により、免疫療法はさらなる進化を遂げています。例えば、T細胞をがん細胞に対して特異的に認識させるCAR-T療法や、がんワクチン療法が開発中であり、期待されています。これらの治療法は、がんの進行を遅らせるだけでなく、一部の患者では長期生存が可能になることも報告されています。
免疫療法は、患者の状態やがんの種類、進行状況によって選択されることが多く、医師と患者がよく話し合い、最適な治療法を検討することが重要です。免疫療法の新たな展開は、がん治療の幅を広げるだけでなく、患者の生活の質を向上させる可能性もあります。

 

高度化する肺がん手術の選択肢

肺がんは、最も一般的ながんであり、日本の男女ともに死亡原因の上位に位置しています。
肺がんの診断がついた場合、手術が第一選択肢となることが多く、最近では肺がん手術の選択肢が高度化しています。
肺がん手術の選択肢は大きく分けて三つあります。
まず、全摘手術です。これは、肺の一部または全体を摘出する方法で、進行が早期の肺がんで最も効果的とされます。
次に、肺切除です。これは、肺からただちにがんを取り除く方法で、進行が早期の肺がんの患者に適しています。
そして、肺腫瘍摘出です。これは、肺の一部を保持しながらがんを摘出する方法で、患者の呼吸機能を維持する目的があります。
さらに、高度化する医療技術により、内視鏡手術やロボット支援手術が導入されています。これらの技術は、従来の手術よりも手術の侵襲が少なく、術後の回復が早いとされています。
肺がん手術の選択肢は、患者の状況やがんの進行度によって決定されるため、適切な選択が重要です。患者は、医師との十分なコミュニケーションを通じて、自身に最適な手術方法を選択すべきです。

3.末期肺がん診断からの心構えと対策


末期肺がんと診断された場合、患者や家族には様々な思いが交錯することでしょう。しかし、適切な心構えと対策を講じることで、患者の生活の質を維持し、延命治療や症状緩和を図ることが可能です。
まず、医師と十分なコミュニケーションを取り、治療方針や予後について理解を深めることが重要です。これにより、患者や家族が現状を受け入れ、適切な治療選択をサポートできます。
次に、症状緩和に向けた対策を行います。末期肺がんでは、呼吸困難や痛みなどの症状が現れることが多いため、適切な薬物や療法を利用して症状を緩和することが大切です。
また、心理的なサポートも重要です。患者は、家族や友人、カウンセリングサービスを利用して、不安や恐怖と向き合い、心の安定を図ることが求められます。
最後に、患者の日常生活を整えることも大切です。適度な運動や栄養バランスの良い食事、十分な休息をとることで、体調の維持に努めることが望ましいです。

 

患者と家族の心のサポート

患者と家族の心のサポートは、がん診断や治療がもたらす精神的な負担を軽減するために重要です。心のサポートは、患者と家族が直面する恐怖や不安を和らげ、治療への意欲を高め、生活の質を向上させる効果があります。
具体的なサポート方法としては、医師や看護師とのコミュニケーションの向上が挙げられます。適切な情報の提供や疑問解消、治療プロセスの説明などにより、患者や家族が安心感を持つことができます。
また、心理的サポートは、専門の心理士がカウンセリングを行うことで、患者と家族のストレスや不安を軽減することが可能です。さらに、病院では、がん患者や家族同士が交流できるサポートグループやセミナーが開催されていることも多く、同じ境遇の人々との経験交流により心のケアが行われます。
最後に、患者のQOL(生活の質)を向上させるためのリハビリテーションも、心のサポートに繋がります。体力維持や日常生活の自立を促すリハビリテーションは、患者の自信や希望を取り戻す助けとなります。

 

緩和ケアとその選択肢

緩和ケアは、がん患者の痛みや症状を軽減し、精神的苦痛を和らげるために行われる医療です。主に、進行がんや再発がんの患者に対して、治癒を目指す治療と並行して提供されます。
緩和ケアの選択肢としてまず考えられるのが、薬物療法です。痛みを抑える鎮痛剤や、吐き気や便秘などの副作用を軽減する薬が使用されます。
また、放射線療法や手術などの局所治療も、緩和ケアの一部として行われることがあります。これらの治療は、腫瘍による圧迫や出血を緩和する目的で行われます。
さらに、精神的支援も緩和ケアの一環であり、心理士やソーシャルワーカーによるカウンセリングが提供されます。医療チームと協力して、患者や家族の心のケアが行われます。
ターミナルケアを含む緩和ケアにおいては、患者の快適な環境作りが重要であり、ホスピスや在宅療法などが選択肢として考慮されます。

 

ストレス軽減や生活習慣改善の方法

ストレス軽減や生活習慣改善は、がん患者の体力維持や治療効果を高めるために重要です。まず、十分な休息と睡眠を確保することが基本であり、疲労回復に役立ちます。また、バランスの良い食事を摂ることで、栄養状態を整え、免疫力を向上させます。
さらに、適度な運動は心身のストレス緩和や体力向上に役立ちます。ただし、患者の状態や体力に応じて、運動量や内容は医師と相談することが望ましいでしょう。
リラクセーションや趣味を楽しむことでも、ストレスの軽減や心の安定を図ることができます。

4.末期肺がんへのオーダーメイド治療

末期肺がんは、病状が進行し治療が困難とされる重篤な状態であり、生存率も低下します。しかし、近年の医学の進歩により、オーダーメイド治療が可能となり、患者の病状や体質に適した療法を提供することが求められます。その理由は、がん細胞の種類や患者の遺伝子によって、効果的な治療法が異なるためです。
具体的には、患者の状態やがん細胞の種類に合わせて、手術や放射線治療、薬物療法などの組み合わせを選択します。また、免疫療法や標的治療薬も利用されることがあります。
早期診断が難しい肺がんでは、検査や治療方法の選択が患者の生活の質や生存期間に大きく影響を与えるため、病院や医師と共に、最適な治療計画を立てることが重要です。

 

遺伝子検査を利用した個別化治療

遺伝子検査は、個々の患者に最適な治療法を選択するための革新的な手法です。肺がんの場合、特定の遺伝子変異が治療効果に影響することが知られており、それに基づいて患者に合った治療法を選択することができます。
具体的な例としては、EGFR遺伝子変異を持つ患者には、EGFR阻害薬が効果的であることが分かっています。また、ALK遺伝子融合陽性の患者には、ALK阻害薬が適切な治療法となります。
遺伝子検査を行うことで、患者の遺伝子情報に基づいた最適な治療法を選択し、効果的な治療を行うことができ、副作用や費用の抑制にも繋がります。このような個別化治療は、末期肺がん患者にとって大きな希望となります。

 

体力や副作用を踏まえた治療計画

末期の肺がん患者において、治療計画を立てる際には、患者の体力や副作用への耐性も考慮することが重要です。年齢や基礎疾患などの要因によって、治療負荷や副作用に対する耐性が異なるため、個々の状況に応じた治療法の選択が求められます。
具体的には、患者の体力に合わせて化学療法や放射線治療の強度を調整することが可能です。また、副作用の軽減や管理に関しても、緩和ケアの提供や薬物療法の適切な調整を行い、患者の生活の質を向上させることが求められます。

5.まとめ

肺がんステージ4の治療は困難ですが、近年の医学の発展により、遺伝子検査や個別化治療、副作用の管理など、様々な取り組みが実践されています。これらの治療法を適切に組み合わせることで、希望を持って闘病に取り組むことができます。主治医をはじめとした医療スタッフと協力して適切な治療法を選択し、積極的な治療に取り組んでください。

快適医療ネットワーク理事長

監修 上羽医院院長
上羽 毅(医学博士)

金沢医科大学卒業後、京都府立医科大学で研究医として中枢神経薬理学と消化器内科学を研究。特に消化器内科学では消化器系癌の早期発見に最も重要な内視鏡を用いた研究(臨床)を専攻。その後、済生会京都府病院の内科医長を経て、1995年に 上羽医院を開業。
統合医療に関する幅広し知識と経験を活かして、がんと闘う皆様のお手伝いが出来ればと、当法人で「がん患者様の電話相談」を行っております。 京都府京都市 上羽医院 http://www.uehaiin.com/