• 2025.11.12
  • 膵臓がん

最先端の膵臓がん治療:抗がん剤から未来へ

膵臓(すいぞう)に発生する膵がんは、近年の日本において罹患率が増加傾向にある疾患のひとつです。
この病気は、診断の時点で進行期にある可能性があり、患者さんとご家族にとって、治療に対する不安が高くなりがちな点も事実でしょう。
しかし、医療技術、特に薬物療法(これまでの化学療法を含む)は目覚ましい進歩を遂げています。
以前に比べ、治療の流れは大きく変わり、効果的でありながら、日常生活の質(QOL)を保つ工夫がされた、新しい組み合わせや治療戦略が多く認められるようになっています。

膵臓がんは、胃や十二指腸の後ろにある臓器の頭部、頸部、体部などに発生し、その病状によって、がんを切除する術、薬物療法、放射線療法などを合わせた最適な治療計画が必要となります。
特に、進行がんに対する薬物療法は、生存期間の延長に関連する非常に重要な役割を担っており、患者さん一人ひとりの状態に合わせて治療法が選択されます。
抗がん薬やがん細胞特有の分子を標的にする分子標的薬など、様々な型の薬剤が使われ、治療の期間やスケジュールは異なります。治療中に認められる食欲不振や感染症の可能性などの副作用についても、現在では比較的効果的に抑える方法が多くあります。

このコラムでは、膵がんと向き合う皆様が、ご自身の病状や治療に対する漠然とした不安を少なくし、安心して治療に取り組むための実践的な情報を提供します。

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1.膵臓がんと抗がん剤の全体像

膵臓がんは、膵臓にできる悪性腫瘍であり、手術や放射線治療、化学療法などの治療法が用いられます。抗がん剤は、細胞の分裂や増殖を抑える薬剤で、全身投与して体全体に作用します。膵臓がんでは、ゲムシタビンやアブラキサンなどの抗がん剤が用いられ、病状によって使い分けられることが多いです。

抗がん剤治療は、膵臓がんが手術不能の場合や、転移や再発を予防する目的で行われることが多いです。ただし、副作用も伴うため、治療方針は個々の患者の状態や副作用のリスクを検討して選択されます。膵臓がんの治療では、手術と抗がん剤の併用が一般的であり、それぞれの治療方法が効果を最大限発揮するために連携が重要です。

膵臓がんの治療成績を向上させるためには、新しい抗がん剤の開発や効果的な治療法の研究が進められています。また、個人の遺伝子情報を利用した個別化医療や、膵臓がん患者の生活習慣や栄養状態に関する研究も行われています。膵臓がん1

膵臓がんの症状と診断方法

膵臓がんの症状は、初期症状としては病院での検査が必要なものや消化器症状・神経機能障害・皮膚症状などさまざまです。具体例としては、黄疸、腹痛、体重減少、倦怠感、消化不良、糖尿病などが挙げられます。

膵臓がんの診断方法は、まずは腹部超音波検査やCT検査、MRI検査などの画像診断が行われる。また、血液検査や腹水検査、膵管造影検査なども併用されることがあります。膵臓がんの確定診断は、細胞診検査や組織検査が主で、細胞や組織のサンプルを取得して悪性腫瘍であることを確認します。これらの検査は、膵臓がんの早期発見や正確な診断、治療方針の選択に役立ちます。

 

膵臓がんの種類とステージ分類

膵臓がんは主に膵管癌と膵内分泌腫瘍の2つに分類されます。膵管癌は膵臓がんの中で最も一般的で、消化液の分泌を担う膵管ががん化するものです。一方、膵内分泌腫瘍は内分泌機能を担う腫瘍であり、稀です。

膵臓がんのステージ分類は、TNM分類に基づいて行われ、T(腫瘍の大きさや浸潤範囲)、N(リンパ節転移の有無)、M(遠隔転移の有無)の3つの要素で評価され、ステージ1からステージ4までの4段階に分類されます。これは治療方針の決定や予後の推定において重要です。

 

抗がん剤の役割と効果

抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑制し腫瘍の成長を遅らせる効果があります。また、転移や再発のリスクを低減させる働きもあります。

抗がん剤は全身に投与されるため、局所治療では対処しきれない広範囲のがん細胞へアプローチできます。ただし、副作用が起こることがあるため、患者さん一人ひとりに適切な薬剤選択や用量調整が必要です。

抗がん剤の種類は多く、膵臓がんの種類や進行状況、患者さんの体調によって選択されます。複数の抗がん剤を併用することで、より高い治療効果が期待できる場合もあります。

抗がん剤の開発や試験は進行中で、新しい効果的な治療法が期待されています。

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2.膵臓がんの標準化学療法

膵臓がんの標準化学療法には、手術や放射線治療と併用されることが一般的です。化学療法は、がん細胞の増殖を抑えることが目的であり、手術後の再発リスクを減らす効果があります。

膵臓がんの化学療法では、ゲムシタビンやアブラキサン、TS-1などの薬剤が使用されることが多いです。また、膵臓がんの進行状況や患者さんの体調によって、適切な治療方針が選択されることが重要です。治療選択や使用される薬剤については、専門医と相談することが推奨されます。

最近では、新たな薬剤開発や研究が進められており、今後、さらなる進歩が期待されています。

膵臓がん2

切除可能な膵臓がん患者の治療選択

切除可能な膵臓がんの患者さんにおいては、手術が最も効果的な治療法とされます。しかし、手術だけでは転移や再発のリスクが残ることがありますので、術後に化学療法や放射線治療が併用されることが一般的です。

膵臓がんの手術には、膵頭切除や膵体尾切除など、病状に応じて手術を行います。手術後の経過観察やリハビリが重要であり、リンパ節転移などのリスクを減らすための治療も検討されることがあります。患者さん個々の病状や体調に応じて、適切な治療方針が選択されます。

切除可能な膵臓がん患者の治療選択においては、専門医や病院との連携が重要であり、適切な情報提供やサポートが求められます。また、家族とのサポートや生活習慣の改善も、治療成果に大きく影響します。

 

局所進行で切除不能な患者の治療方針

局所進行がんでは、手術による切除が困難な場合があります。このような状態の患者に対する治療方針は、以下の通りです。

・まず、患者の病状や一般的な健康状態を考慮し、最適な治療法を選択します。これには、化学療法、放射線療法、免疫療法、分子標的治療などが含まれます。

・化学療法では、腫瘍細胞の増殖を抑制する薬剤を使用しますが、効果と副作用のバランスを考慮して、個々の患者に適した治療法を選択します。

・放射線療法では、高エネルギーの放射線を照射して、がん細胞を破壊します。局所進行がんの場合、手術と併用されることもあります。

・免疫療法は、患者自身の免疫システムを活性化させ、がん細胞を攻撃する力を高めます。転移のリスクが高い患者に対して有効な治療法です。

・ 分子標的治療は、特定の分子や細胞標的に作用する薬剤を用いて、がん細胞の増殖を抑制します。

最終的な治療方針は、患者と医師が話し合った上で決定されます。患者の生活の質や予後なども考慮されます。

 

他の臓器への転移がある患者の対応策

がんが他の臓器に転移している場合、以下の対応策が考慮されます。

・まず、患者の全身状態や転移した臓器の機能を評価し、最適な治療法を選択します。多くの場合、全身的な治療である化学療法が用いられます。

・化学療法は、全身に投与されるため、複数の転移巣に作用することができます。複数の抗がん剤を併用することで、効果を高めることができる場合もあります。

・ 転移巣が限定的である場合、手術による切除や放射線療法が適用されることもあります。しかし、これらの治療法は局所的であり、全身状態にも影響するため、患者と医師が総合的に判断する必要があります。

・免疫療法や分子標的治療も転移がんの治療に有効であり、特定のタイプのがん細胞に対して効果を発揮します。医療チームは、患者の病状や遺伝子検査の結果を考慮して、最適な治療法を選択します。

・また、患者の症状緩和や生活の質向上を目的とした緩和ケアも行います。これには、疼痛管理、栄養指導、心理的なケア、家族への支援などが含まれます。

最終的な治療方針は、患者様自身の希望や生活状況なども考慮され、医療チームと患者様が共同で決定します。

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3.抗がん剤治療の副作用と対処法

抗がん剤治療は、しばしば副作用を引き起こしますが、以下の対処法があります。

  • 抗がん剤による吐き気や嘔吐は、制吐薬を使用することで緩和できます。
  • 抗がん剤が原因での脱毛は、冷却キャップを使用することで軽減されることがあります。
  • 抗がん剤による口内炎や喉の痛みは、口内ケアや適切な薬剤使用で緩和できます。
  • 貧血や感染リスクが高まる骨髄抑制は、造血剤や抗生物質の使用で対処します。

副作用は個人差がありますが、医療チームと連携して、適切な対処法を実施することが重要です。

膵臓がん3

一般的な副作用とその管理方法

がん治療に伴う副作用は、患者の状態や選択された療法によって異なります。また、副作用の程度や持続期間も個人差があります。以下に、一般的な副作用とその管理方法について説明します。

  • 悪心と嘔吐: 抗がん剤や放射線治療が原因で起こることが多く、医師の処方による制吐剤の使用や、食事制限が有効です。
  • 脱毛: 抗がん剤治療によって一時的に髪が抜けることがありますが、治療終了後に再び髪が生えてくることが多いです。ウィッグや帽子の着用が心理的な負担を軽減するのに役立ちます。
  • 疲労: がん治療による疲労は普通ですが、適度な運動や十分な休息、栄養バランスの良い食事が疲労の軽減に効果的です。
  • 手足のしびれや痛み: 化学療法による神経障害が原因で起こることがあります。症状が出た場合は医師に相談し、適切な治療が行われます。
  • 口内炎: 抗がん剤や放射線治療によって口内炎が起こることがあります。口内を清潔に保つことや、冷たい食べ物や飲み物を摂取することで症状が緩和されます。
  • 下痢や便秘: 化学療法や放射線治療が消化機能に影響を与えるため、便通の異常が起こることがあります。食事の管理や薬の使用が効果的です。

これらの副作用は、治療を受ける患者にとってストレスになることが多いため、適切な対処方法を知っておくことが重要です。また、医師や看護師と密に連絡を取り合い、副作用の状況を伝えて対応を取ることが大切です。

 

自宅でのセルフケア方法

がん治療を経験する患者や家族にとって、セルフケアは日常生活の質を向上させる重要な要素です。以下に、患者や家族が自宅でできるセルフケア方法を紹介します。

  • 適度な運動: 疲労感を軽減し、心身のストレスを解消するために、医師の指導のもと、適度な運動を行うことが効果的です。
  • 栄養バランスの良い食事: 治療中の患者は、栄養バランスの良い食事を摂ることで、体力維持や免疫力向上に役立ちます。
  • 休息: 無理をせず、適度な休息を取ることで、体力回復につながります。
  • ストレス管理: リラクセーション法や娯楽活動を通じてストレスを解消し、心身の健康を維持することが重要です。
  • 支援団体やセルフケアグループの活用: 患者や家族が抱える問題や不安を解決し、情報交換や相互支援のために支援団体やセルフケアグループを活用することが有益です。

患者や家族が積極的にセルフケアに取り組むことで、治療期間中の不安やストレスを軽減し、より良い生活が送れます。

膵臓がん克服者に学ぶ克服の秘訣

 

4.膵臓がん治療の最前線

膵臓がん治療の最前線では、新たな療法の開発や進行がんに対する効果的な治療法の研究が活発に行われています。免疫療法や分子標的治療、遺伝子療法など、新しい治療法が次々と登場し、多くの患者に希望を与えています。

一方で、膵臓がんに対する外科手術や放射線治療、化学療法の技術も進化しており、より効果的で安全な治療が可能となっています。さらに、治療の個別化が進んでおり、患者一人ひとりの状態や遺伝子情報に基づいて最適な治療法が選択されるようになっています。

病院や研究機関が連携し、新たな治療方法の開発や臨床試験が行われています。これにより、より多くの患者が新しい治療法を利用できるようになっています。今後も、膵臓がん治療の最前線で行われる研究や開発の進展が注目されます。膵臓がん4

NTRK陽性患者やTMB-High患者の新たな治療選択肢

NTRK陽性患者やTMB-High患者にとって、新たな治療選択肢が登場しています。これらの患者は、がんの遺伝子変異が特徴的であり、従来の治療法では効果が期待できない場合があります。新たな治療選択肢には、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬が含まれており、これらは特定の遺伝子変異や免疫応答に対して効果を発揮することが期待されています。

分子標的治療薬は、がん細胞の特定の遺伝子変異を標的に作用し、細胞の増殖や転移を抑制する効果があります。NTRK陽性患者に対しては、特定のTRK受容体を阻害する薬剤が開発されており、これによりがん細胞の増殖が抑制されることが報告されています。

TMB-High患者に対しては、免疫チェックポイント阻害薬が適用されることがあります。これらの薬剤は、がん細胞が免疫系から逃れるのを阻止し、免疫システムががん細胞を攻撃するのを助ける働きをしています。治療効果は個人差がありますが、一部の患者では良好な結果が得られることが知られています。

これらの新たな治療選択肢は、従来の療法と併用されることもあります。例えば、手術や放射線治療、化学療法と組み合わせて用いられることもあります。適切な治療法の選択には、患者のがんの種類や状態、副作用や患者の生活の質などの要因が考慮されます。治療方針については、専門の医療チームと相談することが重要です。

 

臨床試験と未来の膵臓がん治療

臨床試験は、新しい膵臓がん治療法の開発において重要な役割を果たしています。現在、様々な新しい治療法が開発されており、それらは臨床試験の段階にあるものも多くあります。未来の膵臓がん治療では、これらの新しい療法がもたらす効果とその安全性が、臨床試験を通じて評価されていくことで確立されます。

新しい治療法には、例えば分子標的治療薬や免疫療法、細胞療法、遺伝子療法などが含まれています。これらの治療法は、従来の手術や放射線治療、化学療法といった療法と併用されることもあります。新しい療法が開発されることで、膵臓がん患者の治療効果や生活の質が向上することが期待されており、研究が進展することで選択肢も増えると考えられます。

臨床試験への参加は、膵臓がん患者にとって新しい治療法を試すチャンスとなります。ただし、参加にはリスクや条件が伴うことがありますので、治療チームと相談の上、適切な選択を行うことが重要です。臨床試験の情報は、病院やがんセンター、医療雑誌やウェブサイトなどで入手できます。これらの情報を参考に、最も適切な治療法を選択することで、膵臓がん患者の治療がより効果的で質の高いものとなることが期待されます。

5.日常生活とそのサポート

膵臓がん治療を受ける患者にとって、生活とサポートが重要な要素となります。治療に伴う副作用や生活の質の低下が課題となることがありますが、適切なサポートによってこれらの問題を軽減することができます。

まず、膵臓がん患者に必要なサポートの一つが、栄養管理です。膵臓は消化酵素を分泌し、食物の消化を助ける機能を持っていますが、がん治療によってこの機能が低下することがあります。栄養士や専門医と相談し、適切な食事や栄養補助食品を選ぶことが、患者の体力維持や副作用の軽減に役立ちます。

また、心理的なサポートも重要です。がん治療は精神的なストレスを伴うことがありますが、心理カウンセラーやサポートグループが心身のケアに役立ちます。家族や友人とのコミュニケーションも、患者の心の支えとなります。

さらに、患者の生活を支援するためのサービスもあります。これには、訪問看護や介護サービス、通院手配、リハビリテーションサービスなどが含まれています。適切なサポートサービスを利用することで、膵臓がん治療の負担を軽減し、生活の質を向上させることができます。

膵臓がん治療における生活とサポートは、患者の総合的な健康状態の向上に寄与します。病院やがんセンターで提供されるサポートサービスを活用しながら、適切な治療を受けることで、膵臓がん患者にとってより良い未来が開けることでしょう。

がん治療において、栄養管理とリハビリテーションは患者の状態を改善し、生活の質を向上させるために重要です。栄養管理では、患者の消化機能や代謝機能に対応した食事の提供が必要で、病院の栄養士や専門家と連携し、個々の患者に適切な栄養を摂取できるよう支援します。

具体的な栄養管理の方法として、患者の全身状態や症状に応じて、適切なカロリー摂取やタンパク質摂取量を計算し、適切な食事を提供することが挙げられます。また、副作用や吸収障害等による栄養不良を予防するために、栄養補助剤の利用や、食事療法による消化器系の管理も行われます。

一方、リハビリテーションは、患者の身体機能の回復や維持を目的として行われます。具体的には、運動療法や理学療法を用いて、筋力や関節可動域の向上、呼吸機能や心機能の改善を目指します。リハビリテーションは、患者の病状や生活状況に応じて、個別にプログラムが作成され、専門のリハビリテーションスタッフによって指導されます。

総合的ながん治療において、栄養管理とリハビリテーションは患者の生活の質や治療効果を向上させるために欠かせない要素です。膵臓がん5

患者や家族の相談窓口と心のケア

がん患者や家族にとって、治療や生活に関する相談窓口や心のケアは非常に重要です。病院内に設置された相談窓口や、専門のカウンセラー、ソーシャルワーカーが、治療や副作用、生活スタイルの変化に関する様々な悩みに対応します。

具体的には、以下のようなサポートが提供されます。

  • 治療選択や治療費用、医療制度の説明
  • 在宅医療や介護の相談
  • 就労や学業の支援

心のケアに関しては、心理的な負担やストレスが患者の治療効果や生活の質に大きな影響を与えるため、心理カウンセリングやリラクゼーション療法、家族の心のケアなどのサポートが行われます。これらの支援は、患者や家族ががんとの闘いを継続する上で、大変重要な役割を果たします。

6. おわりに

このコラムでは、膵臓(すいぞう)に発生する膵がんに対する薬物療法(従来の化学療法を含む)の全体像について解説いたしました。この病気の治療は、術後含むどの期間においても、前向きに取り組むことが大切です。

薬物療法の分野では、分子標的薬や、特定の型の抗がん薬を合わせる組み合わせ治療など、新しい治療戦略が日々認められ、生存期間の延長に関連する研究が繰り返し行われています。治療の流れは進歩しており、以前に比べ、比較的副作用を抑えながら治療を継続できる方法が多くなっています。例えば、点滴治療で使われる薬剤のスケジュールや投与量が細かく調整されることで、白血球や血小板の減少による感染症の可能性や、食欲不振などの点について、予防的な対処がなされています。

単独の治療だけでなく、医療センターや院部門を合わせた包括的なサポートも重要です。栄養管理、リハビリテーション、心のケア、そして適切な休養を取ることなど、治療中のよい日常生活を支える体制が整ってきています。これらのサポートは、治療効果の最大化と、患者さんとご家族の生活の質の向上を目的としています。

治療方針や、治療に伴う悩み事については、患者さんひとりで抱え込まず、一次・二次の診療に携わる医師や、専門の窓口にご相談いただくことが重要です。今後も膵がんの治療に関する新しい知見は続々と発表されることが期待されます。このページで得られた知識を活用し、医師や専門家と合わせて、ご自身にとって最適な治療の流れを築いていきましょう。

※この記事は2024年9月10日に作成され、2025年11月12日に内容を更新しました。

快適医療ネットワーク理事長

監修 
医学博士 上羽 毅

金沢医科大学卒業後、京都府立医科大学で研究医として中枢神経薬理学と消化器内科学を研究。特に消化器内科学では消化器系癌の早期発見に最も重要な内視鏡を用いた研究(臨床)を専攻。その後、済生会京都府病院の内科医長を経て、1995年に医院を開業。
統合医療に関する幅広し知識と経験を活かして、がんと闘う皆様のお手伝いが出来ればと、当法人で「がん患者様の電話相談」を行っております。