• 2025.02.21
  • 大腸がん

大腸がんステージ4の克服を目指す。現在の標準治療とは?

大腸がんは多くの患者が直面するがんの一種で、ステージ4まで進行すると肝臓や肺など重要な臓器への転移が起こる可能性が高いです。
ただし、手術や切除、化学療法を組み合わせて治療を行う場合、リスクを低減できる可能性があります。
本コラムでは検査や診断の流れ、抗がん剤の利用、緩和ケアなど多角的な治療法を解説し、症状や状態に合った方法を確認することで、よりよい生活を送るための情報を提供します。
また、手術後の経過観察や医療チームとの相談も重要です。
患者一人ひとりの状態に合った方針を選ぶことで、治療効果を高められる可能性があります。

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1.大腸がんとはどんな病気?

大腸がんは、結腸や直腸を含む大腸の粘膜といった場所から発生する悪性腫瘍で、近年は先進国を中心に患者数が増加しています。大腸がんの初期段階では自覚症状が乏しいため、早期のうちに発見されにくいという特性があります。
血便や腹痛、便通異常などの症状が出現する頃には腫瘍がある程度大きくなっている場合も少なくありません。そのため、定期的な健康診断や便潜血検査の受診によって、より早い段階で大腸がんを疑い、精密検査へ進むことが推奨されます。
大腸がんが進むと、肝臓や肺などの臓器へ転移しやすく、生存率に影響を及ぼします。特にステージ4では遠隔転移が確認されることが多く、治療計画が複雑になる傾向があります。ただし、ステージ3の段階で見つけられれば、外科手術などで切除が可能なケースがあり、比較的良好な予後を目指すことも可能です。
医療の進歩にともない、外科的切除、放射線療法、化学療法、免疫療法など多様な治療方法が選択肢として確立されてきました。粘膜内に限局している早期の大腸がんであれば、大腸内視鏡検査中にポリープを切除することで治療が完了する場合もあります。
一方で、進行がんの場合は肝臓や肺への転移が広範囲におよぶと、複数の治療方法を組み合わせながら生活の質を保ちつつ腫瘍の増殖を抑えるアプローチを検討します。こうした多面的な選択肢の一覧を把握したうえで、自分の病状に合う最適な治療方針を立てることが重要です。
また、食生活や生活習慣の変化が大腸がんの原因として関連すると考えられています。高脂肪・低食物繊維の食事や運動不足、喫煙習慣などは、大腸がんのリスクを高めます。そのため、自宅での食事管理や体重維持、適度な運動を継続するといった基本的な習慣の見直しも、長期的な健康維持や再発予防に寄与するでしょう。
さらに、病院での定期的な診断や経過観察と組み合わせることで、再発リスクを最小限に抑えながら治療を続けることができます。特に抗がん剤治療を継続する場合は、身体の機能を守り、副作用を管理しながら治療効果を高める工夫が欠かせません。医師や医療スタッフとの連携を図り、自分の体調をきめ細かく把握しておくことが、より安定した予後をめざすうえで大切です。
例えば、まだポリープの段階で切除できれば、大腸がんを未然に防げる可能性も十分にあります。ただ、腫瘍が進行するほど治療の負担が増し、より大きな外科手術や複雑な化学療法の検討が必要になる場合があります。定期健診の重要性を強く意識し、自分に合った頻度と手段を医師と相談しながら決定しましょう。
早期発見と治療を続ければ、長期的な生活の質を温存しながらがんと共生することも視野に入ります。大腸がんは対策を講じることで比較的予後の改善が見込めるがんと言われています。
まずは自分の体の状態を知り、積極的に情報を集めることをおすすめします。

 

大腸がん1

 

大腸がんのステージ4とはどんな状態?

ステージ4というのは、腫瘍が大腸の壁を越えて他の臓器へ転移している、進行度が最も高い状態を指します。例えば肝臓や肺、リンパ節などへの転移が認められた場合は、この段階と判断されます。
ステージ3との大きな違いは、局所的な進行に加え、遠隔臓器へ転移している点です。転移が多いほど治療法の組み合わせも大がかりになり、長期の治療計画が必要になるケースが多いとされます。
一方で、近年の医療技術の進歩により、切除可能な転移巣が見つかれば外科的治療を優先し、残った病巣には化学療法や放射線療法を組み合わせるなど、多彩なアプローチが検討されます。
ステージ4は治癒が難しいとされがちですが、完全切除を狙えるケースも存在します。転移の部位と数、患者の体調や合併症の有無などを総合的に判断し、最適な治療方法へと導くことが重要です。
治療そのものの目的が、根治を目指すケースから症状緩和を重視するケースまで幅広いため、医師や看護師、薬剤師など多職種の連携を活用し、個別化された方針を立てることでより高いQOL(生活の質)を確保できます。
また、治療を受ける過程では、痛みや副作用を緩和しながら生活を維持することが大切になります。身体的な負担だけでなく、精神的なストレスにも配慮し、緩和ケアの利用などを含めて総合的にサポートを受けることが推奨されます。

 

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2.大腸がんの検査と診断

大腸がんの早期発見には、便潜血検査や内視鏡検査、画像検査など、複数の検査手段が有効とされています。
初期段階では無症状の場合が多いため、健康診断のタイミングなどで便潜血検査を受け、微量の血液を捉えることでがんの可能性を探ります。早めに異常を見つけるほど適切な治療を受けやすくなり、生存率にも良い影響が期待できます。
内視鏡検査では直視下で大腸内を観察し、ポリープや腫瘍があればその場で切除や組織の採取(生検)を行います。切除した組織は病理検査を経て悪性かどうかを判定し、腫瘍の分類や悪性度を詳しく調べることが可能です。
CTやMRIなどの画像検査を併用すれば、リンパ節や肝臓、肺への転移状況の把握につながります。これらの結果を総合し、ステージ設定を行い、最適な治療方法を検討します。
診断が確定した段階で、医師から病期や腫瘍の特性、考えられる副作用などの説明があるでしょう。患者自身や家族も理解を深め、治療の方針を共有することが大切です。例えば痛みが強い場合は放射線療法で局所的に腫瘍を縮小し、出血を抑えるなどの工夫が検討されることもあります。一方で、全身に広がった腫瘍には全身治療である抗がん剤治療を中心に進める必要があるかもしれません。
検査や診断の過程においては、わからない点や不安な点を率直に医師や看護師に尋ねることで、自分に合ったスケジュールや追加検査などを柔軟に組み込めます。治療計画前の詳細な情報収集は、手術や薬物療法のタイミングを調整し、より効率的な治療に結びつく重要なステップです。

 

大腸がん2

 

進行がんのステージ4診断までに必要な検査

ステージ4と判定されるまでには、大腸内視鏡検査やCT、MRI、場合によってはPET-CTなどを使用し、腫瘍の広がりを詳細に把握します。肝臓や肺への転移、リンパ節の腫脹、腹膜へ散らばる微小転移の有無など、多面的に評価することで治療方法を選択しやすくなります。
治療計画を立てるにあたって、患者の体力や臓器の機能も考慮し、手術が可能かどうか、あるいは先に化学療法を行ってから手術を検討するかを決定します。
検査過程を通じ、腫瘍の特徴や遺伝子変異の有無などを調べることも行われる場合があります。遺伝子変異の有無は、今後の薬物 治療方法を選ぶうえで手がかりとなるため、個別化医療の観点からも重要視されています。こうした情報がしっかりとそろうことで、より正確かつ効果的な治療計画を立案できます。
詳細な検査を経て病期が明確になると、次はいかに患者の負担を抑えつつ腫瘍を縮小・制御するかが課題となります。外科手術優先か、抗がん剤治療や放射線療法で腫瘍のコントロールを図るか、医療チームと連携しながら見極めることが大切です。

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3.大腸がんステージ4の治療

ステージ4の大腸がんは遠隔転移を伴う進行がんであり、原発巣とともに転移巣への対応が不可欠です。転移箇所が肝臓や肺などの代表的な臓器にとどまり、切除可能な範囲に収まっている場合は、外科手術により原発巣と転移巣の両方を切除し、根治を目指す方針が取られることがあります。
転移巣が複数あっても、治療効果によっては将来的な完全切除が見込めるケースもあり、化学療法や放射線療法を先行して腫瘍を縮小させる方法も検討されます。
一方、転移が複数の臓器に拡散している場合、治癒を狙う手術が難しいケースでは生活の質を保ちながら、症状のコントロールと生存期間の延長を目指す治療方法が中心になります。化学療法や免疫療法、放射線療法をうまく組み合わせることで腫瘍の増殖スピードを抑え、副作用の軽減にも努めます。
患者の状態や体力、合併症の有無などを考慮しつつ、個々の治療方針をカスタマイズすることが大切です。
また、治療効果や予後を左右する要因として「治療タイミング」が挙げられます。主治医や医療スタッフとのコミュニケーションを密に行い、最適な時期に最適な治療を導入することで再発リスクを下げやすくなります。
たとえば術前の化学療法で腫瘍を縮小してから手術に臨む「ネオアジュバント療法」を取り入れるケースでは、残存腫瘍を減らしやすくなるメリットが期待できます。

 

大腸がん3

 

ステージ4大腸がんの外科手術

転移が見られるステージ4でも、患者の体力や転移巣の数・位置によっては外科手術が大きな役割を果たします。肝転移や肺転移の部位が限局し、完全切除が見込まれる場合には、原発巣と合わせて転移巣を切除するアプローチがとられます。これは「同時切除」または「段階的切除」として分類されることがあり、どのタイミングで行うかは主治医や外科チームの判断に委ねられます。
ただし、一度に広範囲の手術を実施すると患者の負担が大きくなるため、術前の抗がん剤治療を行い病巣を縮小させてから切除を目指す方法を採用することもあります。術後の経過観察ではCTやMRI、血液検査などを用いて早期再発をチェックし、必要に応じて追加の化学療法や放射線療法を検討します。
ステージ4の外科手術は治癒を目的とする場合もあれば、腸閉塞の予防や出血コントロールなどの緩和的な目的の場合もあります。患者と医師が十分に話し合い、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、どのタイミングで何を目指す手術なのかを明確にしておくことで、治療計画がスムーズになります。

 

ステージ4大腸がんの放射線療法

遠隔転移を伴う大腸がんでも、出血や痛みなど局所症状のコントロールを目的として放射線療法が役立つ場合があります。
腫瘍が増殖して血管や神経を圧迫し、強い痛みや出血を引き起こすとき、ピンポイントで放射線を照射することで症状が緩和され、生活の質を向上させられる可能性があります。
ただし、放射線を照射する部位の粘膜障害や炎症などの副作用が生じるリスクもあるため、照射範囲や線量を慎重に決定することが必要です。
放射線療法の計画は、CTやMRI、あるいはPETなどの画像を参考に作成され、通常は数回から十数回に分割して照射されます。副作用のモニタリングや対処を行いながら治療を進め、必要に応じてほかの治療法との併用を検討していきます。
患者それぞれの状況に合わせ、最善となる組み合わせを見つけることが大切です。

 

ステージ4大腸がんの化学療法

化学療法はステージ4の大腸がん治療において重要な位置を占めます。主な目的は、全身に広がった腫瘍細胞の増殖を抑えることであり、治癒の可能性が少ないケースでも生存期間の延長と症状緩和を期待できます。
従来の抗がん剤治療に加え、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などの新薬の開発が進み、患者ごとに異なる腫瘍の特徴に合わせた治療の選択肢が広がりました。
例えば、遺伝子変異の有無によって使用薬の選択肢が変わることがあります。こうした治療の個別化は、今後ますます発展が見込まれており、患者ごとの効果の最大化と不要な副作用の抑制を両立できるようになると期待されています。
ただし、化学療法には吐き気や脱毛、倦怠感などの副作用が伴うため、患者の体力や精神面のフォローが欠かせません。副作用を軽減する薬剤の併用や、十分な栄養管理などが必要となります。
こまめに医療スタッフに相談し、治療計画を柔軟に調整することで、化学療法継続に伴うトラブルを減らすことができます。
治療効果の評価は定期的な画像検査や血液検査によって行われ、腫瘍の大きさに変化があるかなどを確認します。効果が得られている場合は治療を継続し、効果が乏しい場合は治療レジメンの変更や他の治療法との組み合わせを検討します。
こうした継続的なモニタリングが、再発や進行を抑制する鍵となります。

 

緩和ケアも治療選択のひとつ

緩和ケアは、がんの進行度を問わず、患者の苦痛を軽減し、心身両面でサポートを行うためのケアです。特にステージ4の大腸がんでは、積極的治療と並行して緩和ケアを導入する意義が大きいとされています。痛みや吐き気などの身体症状だけでなく、不安や落ち込みといった精神面へのケアも含まれることで、治療全体に対するモチベーションを保ちやすくなります。
緩和ケアチームは、医師や看護師のほかに、薬剤師、ソーシャルワーカー、臨床心理士など、多職種が協力して患者を支えます。患者の症状や生活環境に合わせ、薬物療法の調整やカウンセリング、日常生活の支援などを総合的に提供します。そうした多面的な支えがあることで、副作用の管理や通院スケジュールの調整などを円滑に進められ、治療の継続を後押ししてくれます。
特に在宅医療を選択する場合や、長期間の治療を余儀なくされる場合には、緩和ケアの早期利用が推奨されます。自力での移動が困難になってきた場合や、仕事や家事との両立が難しくなったときなど、単なる身体的ケアだけでなく、社会的な支援策も検討する必要があるからです。こうしたサポート体制をあらかじめ確立しておくと、「どうしようもない」という状況に陥りにくくなり、治療を前向きに続けられるでしょう。

大腸がん克服者に学ぶ克服の秘訣

 

 

4.まとめ:よりよい生活のために

大腸がんのステージ4は、腫瘍がすでに遠隔臓器へ転移した状態であり、治療計画の複雑化が避けられない段階です。しかし、病院での定期的な検査や適切な治療のタイミングを逃さなければ、症状の進行を制御し、生存率や生活の質を向上させる余地は残されています。
治療を含めた情報は、医療機関や公的なサイト、出版物などに掲載されており、治療方法の分類や使用される薬剤の一覧などがまとめられた信頼できる資料を参考にするのも良いでしょう。約数十年の間に抗がん治療の分野は大きく進歩し、従来の化学療法だけでなく免疫療法や最新の分子標的薬なども開発されています。そのため、治療選択の幅は従来以上に広がっています。
ステージ4という厳しい状況でも、原発巣や転移部位の状況次第では外科的に完全切除が実現するケースもあり、患者自身の身体性や希望を踏まえて複数の治療を組み合わせることが望ましいです。大腸がんは体調管理や生活習慣の見直しによって再発防止策を講じることもできるため、主治医との連携を密にしながら自分に合った方策を推奨してもらうことが重要です。
自分や家族だけで判断せず、必ず専門の医師や看護師に症状の変化を伝え、躊躇せず支援を求めてください。困難を一人で抱え込むことで、治療の機会や生活の質を高める機会を失ってしまうことは避けたいものです。適切な治療はもちろん、緩和ケアや社会資源の活用を含め、多様な手段を駆使することで、長期的な予後の安定を目指すことができます。
以上のように、ステージ4の大腸がんは厳しい闘いを強いられることが多いものの、近年の医療の進歩によってさまざまな選択肢が用意されています。複数の治療法を上手に組み合わせることで、腫瘍のさらなる進行を抑え、QOLの維持・向上を図ることが可能です。早期から適切な情報を収集し、医療スタッフと連携して柔軟に治療計画を立てることで、より納得のいく形で治療を進められるでしょう。
本コラムは一般的な大腸がん情報をご提供していますが、個別の状態や治療については、必ず専門の医療機関で相談し、主治医の指示を仰いでください。自身の病状に合った治療方法を知り、治療にともなうリスクや副作用を理解しつつ、サポートを受けられる準備を整えることで、前向きな気持ちを保ちながら闘病と向き合うことが期待できます。

・定期検査としての便潜血検査や内視鏡検査の受診
・肝臓や肺への転移状況を把握するための画像診断
・外科手術、化学療法、放射線療法、免疫療法の組み合わせ
・痛みや不安を和らげる緩和ケアの活用
・生活習慣の見直しや栄養管理で体力維持を図る
・医療スタッフと連携しながら副作用管理を徹底する
・症状や不安を我慢せずこまめに相談する

これらのポイントを意識しつつ、自強と周囲のサポートの両立を図りながら治療を続ければ、厳しい闘いの中でも希望を見出しやすくなります。自分にとって最適な時期や治療法を見極め、体調変化を次のステップに生かすことで、よりよい未来を切り拓くきっかけが生まれるかもしれません。
ステージ4という深刻な状況であっても、多角的な治療、医療者とのスムーズな連携、そして情報共有を重ねることで、今の時代ならではの治療成果と安定した生活を目指す道が開けます。

快適医療ネットワーク理事長

監修 
医学博士 上羽 毅

金沢医科大学卒業後、京都府立医科大学で研究医として中枢神経薬理学と消化器内科学を研究。特に消化器内科学では消化器系癌の早期発見に最も重要な内視鏡を用いた研究(臨床)を専攻。その後、済生会京都府病院の内科医長を経て、1995年に医院を開業。
統合医療に関する幅広し知識と経験を活かして、がんと闘う皆様のお手伝いが出来ればと、当法人で「がん患者様の電話相談」を行っております。